丁度この二つ、同じ話なんです。トルコ海外ドラマ【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~】と少女漫画【夢の雫、黄金の鳥籠】(篠原千絵著)って。
16世紀のオスマン・トルコ帝国、スレイマン皇帝の時代の話です。思わず、比較しちゃう(笑)
時のスレイマン皇帝を中心に、愛妃ヒュッレム(ロシア出身、ロシア名アレクサンドラ)と、帝妃(第一夫人)マヒデブラン妃(篠原版、ギュルバハル)や、他のハレムの妃たち(立場は女奴隷、妾(ジャリエ)、と呼ばれる)そして、スレイマン帝とヨーロッパ諸国の外交と戦争、の歴史絵巻です。
まぁ、トルコのハレムって…一夫多妻も良いトコですからね。皇帝(夫)一人に妻600人前後いたらしい。凄いもんです。
どちらも面白い。トルコドラマ版は、マヒデブラン妃の夫をヒュッレムに取られた悲哀が良く描かれています。それ以外の恋愛面はイマイチ、かな?
恋愛面は篠原版の【夢の雫、黄金の鳥籠】の方が捻ってます。まず、ヒュッレムは、スレイマン帝ではなく、イブラヒムが秘密の恋人ですし。しかも、新刊10巻目では、その秘密の恋人、イブラヒムと対立していく…これは事実です。後にヒュッレムはイブラヒムを殺すらしい(笑)
又、皇帝妹ハティージェは、イタリア商人との恋に破れ、渋々イブラヒムに嫁ぎますが、トルコドラマ版はアッサリ相思相愛、これも捻りが足りない。
篠原千絵さん、流石【天は赤い河のほとり】の作者ですね。【天河】は熱狂して読んだので。
ただ、トルコドラマ版のヒュッレムは、野心満々ですね。まぁ実際にはこうかもな、とも思います。ただ、最初からあんまり反抗的で、視聴者としては共感出来ませんが。
大体、ハレムなんて、女たちの戦場な訳ですよ。皇帝の寵愛を競ってる。唯でさえ周りはライバルです。そこで周りの女性陣とあんまり正面切ってケンカをしてはダメなんですよ。特に第一夫人(マヒデブラン妃、篠原版ギュルバハル)には頭を下げなければ。
寵愛を頂いて間もなくなんて、立場がまだ弱い。この世界は、『皇帝の寵愛を得、男子を生み、その子が次期皇帝になる』事でようやく地位安泰、だったみたいですし。
正面切って第一夫人とケンカをするは、一番まずい。相手は正妃なので、立てなくてはならないんです。目上ですから。
そうしてハレム内でうまく、立ち回っていく。周りを味方に巻き込んで…です。政治的に立ち回るんです。
実際の歴史上のヒュッレムは実に賢かった女性のようです。マヒデブラン妃を押しのけ、自分が皇妃になった人です。実はオスマン・トルコ帝国で、正式の皇妃に初めてなったのはこのヒュッレムだったよう。
マヒデブラン妃も第一夫人、とは言っても立場は女奴隷です。スレイマン帝より以前の皇帝は全部、生涯、独身皇帝です。無論、寵姫は沢山いたけれどネ。
そんなヒュッレム妃が周りをそんなに敵に回したかな?と思ってしまいます。そういう処は篠原版の方が、『賢いヒュッレム』と言えますね。
最も、ヨーロッパとの外交、戦争面はトルコドラマ、中々です。又、衣装や宮殿等、実際の当時の再現そのまま、という話ですね。
ともあれ、どちらも見どころ満載!です。
ちふれより
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