みました…。
あの…正直、恐い映画でした。
非常に心理描写が上手いというか…そこらの変態ホラー映画より、よっぼと怖いよ、コレ。
犯人の支配欲と、お店の服従される心理が実によく描かれてます。
資本主義のファーストフード店がたった一本のいたずら電話で完全に崩壊するという、良い実例。
完全に服従、洗脳されてしまったのが、中年の女性店長。
コレは実話、実際の事件を基にして作られた映画です。
性的虐待、というか、性的暴行の事件です。
場所はアメリカの某田舎町のファーストフード店(実際の事件はマックです)、主人公はバイトの若い女の子、ベッキー(19歳位)
ベッキーと勤務先のおばちゃん女性店長と、ベッキーの同僚の若い男の子と、おばちゃん女性店長の彼氏のオッサンと…そして真犯人の男性(これは現場から遠い場所で電話の主)
ある忙しい日、店舗に電話がかかってきます。
電話の主は、ダニエル刑事を名乗り『お宅の若い女の子のスタッフがお客の財布のお金を盗んだ疑いがある』
『捜査に行くが、一寸時間がかかる、だからその前にお店の方で彼女を調べてみてくれ』
と言われ、ベッキーの身体検査、と称し、彼女を全裸にするんだから。
しかも、女性店長、お店が忙しいのを言い訳に、平然と、“見張り”の男性陣を、店舗パックヤードにベッキーと二人きりのするんだから。
ベッキーはずっと全裸のまま…。(ベッキーは下着も取らされてます。完全に全裸)
コレ、せめてタオル位かけてやればいいのに…。
電話の主を店舗側は最初『変だな?』と思いながらも、“ダニエルズ刑事”に言いくるめられ、セクハラに暴走していきます。
ベッキー役の若い女優さんも、演技、ご苦労様です。
“ダニエルズ刑事”の『盗んだお金を隠している可能性がある』と言われ、おばちゃん店長の彼氏のオッサンは、ベッキーのバストの様子まで電話で言わされ、彼女の下腹部までのぞき込む…気持ち悪くなります。
ベッキーの同僚役の若い男の子の方がよっぼとまともな神経をしてます。
彼は取り調べ、断ったし。
映画の終盤、お店の出入りの業者が怪しみ、女性店長が警察に電話をかけ、全てが解る。
このにっくき電話の主、真犯人はなぜこんな事をやったか???
要するに悪戯なんですよ。
愉快犯です。
そしてこの真犯人、腹の立つことに、警察に捕まりますが、なんと“証拠不十分”で無罪判決を勝ち取ったそう。
一番重い罪が、おばちゃん店長の彼氏だったとか…。
この事件で一番怖いのが、“騙されたはずの被害者”が唆されて加害者になってしまう事です。
被害者が洗脳され、加害者になっていく…という事件は日本では北九州の連続一家殺人事件の松永太を思い出します。
アレも、自分では手を汚してないのが怖い、被害者一家に殺害させます。
一人ずつ順繰りに…。
この犯人の男、ドSと言うか、変態というか…、電話で若い女の子を裸にして興奮していたのか…。
この犯人の男、驚いたことに、中産階級の白人ビジネスマンで、普段は完全にカタギです。
妻も子もいて…。
この映画、不特定多数のお客を相手にするサービス業(小売り店、外食産業)に従事する人達は、見ておいて損はないと思う。
こういう電話がもしもかかって来た時、どうするか???
おばちゃん女性店長、映画の最後にインタビューされるのですが、“私も被害者”にはかなりムッと来ますね。
スタッフの女の子オールヌードにしておいて、アンタ、何ってんだって。
アンタが騙されて無ければ、こんな事にはならなかったのよって。
接客系の職種の方は、見ておいて損はない映画です。
ちふれより