海外ドラマ等を見ていて時々思うのが
『アメリカ英語(米語)とイギリス英語(特に上流階級、というか、エリート階級)は違う』と言う事。
そう、違うんですね、米語と英語は違う。
イギリス英語(キングス・イングリッシュ、クイーンズイングリッシュとも言う)って非常に発音が端正です。
端正で品の良い英語。
あんまり“R”の巻き舌が無い。一寸格調高い感じ。
ドラマ【シャーロック・ホームズの冒険】(グラナダ版)でホームズ役のジェレミー・ブレッドが話しているのが、正しくキングス・イングリッシュ。
無論、ワトソン役の人もキングス・イングリッシュで話してます。
因みにサッカー選手のデイヴィッド・ベッカム選手はキングス・イングリッシュでは話してません。
ベッカム選手、結構強い訛りがあり、一寸聞き取りにくい感じ。
ベッカム選手はイギリスではワーキングクラス(労働者階級)出身です。
サッカー自体がワーキングクラス(労働者階級)のスポーツな訳ね。
ベッカム選手のインタビュー記事を聞いたけれど、確かにアレはキングス・イングリッシュではないです。
とは言ってもベッカム選手、決して見ていて不快感があると言うのではないんですよ。
やっぱりあれだけサッカーの世界で名を上げた人だけあって、インタビューの受け方も非常にマジメでキチンとしてます。
良識ある感じ。そんなに下品でもないし…。
むしろ感じは良いです。唯、キングス・イングリッシュではない。
雰囲気も上品と言う感じではないだけです。
キングス・イングリッシュは非常に端正、格調高い雰囲気です。
エリザベス女王陛下のお言葉もそんな感じ。
むしろ聞いていて“ハハッ”と“拝聴”したくなります。
何やら一寸威儀を正したくなるような…かな?(笑)
但し、エリザベス女王陛下の話し方も、40年前より一寸格は落ちて来たような…???
話し方がフランクなんですよ。庶民的な感じです。
40年前の話し方の方が格調高かった…ように思うのは私だけではない様です。
恐らく、“スピーチで国民に解り易くを心掛ける”からでしょうね。
国民に通じる言葉で話さないと、スピーチの意味がありませんから。
エリザベス女王陛下のスピーチです。
イギリスは階級社会、そしてその階級社会を図る基準が“言葉”なんですね。
身なりや服装、持ち物ではない。
『小公女セーラ』でも無一文になり、ミンチン女学園で下働きの女中で働いていたセーラが、隣家の少年に物乞いと間違えられ、硬貨を施されるシーンがあります。
その時セーラは非常に屈辱的に感じるのですが、少年は母親に
「あの女の子、ヘンだよ。だってあんなに汚い身なりなのに、凄くきれいな言葉で話すんだ。何故なのかな?」
と言うシーンがあります。
ココでこの少年が感じたセーラの話す“キレイな言葉”とは文字通り、キングス・イングリッシュの事。
セーラはキングス・イングリッシュを話していたんですね。
階級を決める基準が言葉である、というのがイギリスの価値観のようです。
ちふれより