現在、私は“純然たるクラシック”の世界にはいません。
むしろ、ショービジネス的というか、多分、ポップス的、軽音楽的なジャンルの世界に属しています。
未だ持って人様から”クラシックの人”と云われる事もありますが、それは違います。
ホテルのラウンジピアニストから、イベント出演、ライブハウス、その他…これは軽音楽的なジャンルにカテゴライズされるともいます。
私に関しては“クラシック出身の”と云うのが正確です。
このブログでは書いていませんが、ミュージカル、シャンソン、カンツォーネ、演歌、ロックバーでの演奏…等々。
様々なジャンルと共演もあります。
そんな私ですが、今でもクラシック曲を弾き続けます。
その理由は何故か???
一つには“クラシックの魅力を解ってもらいたい”“クラシックをもっと普及させたい”という思いと、もう一つには、私自身の為でもあります。
クラシック曲って、演奏の技術レヴェルが凄く高いんですね。
従ってクラシック曲を弾いていると、演奏の技術の腕が落ちない。
毎日何時間も練習しなければならなかったり…。
ポップスの曲、軽音楽の曲ばっかり弾いていると、演奏の技術が落ちます。
それはなぜか?
ポップスって、楽譜通りでなくて良いんですよ。むしろ、“楽譜通り弾かない”事がセオリーだったり。
要するに、アドリブの連続です。
アドリブってね、逃げられるんですよ。演奏技術テクニック的には、“難しいパッセージ、難しいパートを技術時に易しく変えてしまう事が許される”
“弾き易い”方へ逃げる事か出来るんです。
これでは腕が落ちる訳。
クラシックはそれが許されないです。難しいパッセージ、弾きにくいパッセージでも、キチンと楽譜通りに難しく弾かなければならない。
ヘタであれば、練習、稽古の連続です。
手が大きくて届かない箇所も同様です。
稽古、練習の連続。
だからもクラシック曲を弾いていると、演奏の腕が落ちないんですよ。
演奏家としては、弾いていた方が良い。
コレは、他の音大出身系のシャンソン歌手さんが仰ってました。
「ポップスばっかり弾いていると、ピアニストさんって演奏の腕、落ちるわよね」と。
頭の中さえ、緩く崩していれば、全然ポップスの現場って対応が出来ます(無論、ポップス特有の練習もしてますが…)
腕は落とさない方が良い。
そう思ってます。
ちふれより