さる住宅問題を考える会に参加してきました。
実は今回は、前々から拝読して興味あった野澤千絵先生の講演があり、とても楽しみでした。
この本です。
この本、実は本屋でタイトルに惹かれ、即購入を決意。
野澤千絵先生曰く「…何ともおどろおどろしいタイトルで…云々」と仰ってましたが、何、その“おどろおどろしいタイトル”が私に購入を決意させたんです。これはタイトルの“営業勝ち”
読んでみましたが、あのー、流石専門書。結構素人には難しかったですよ。と言っても努力すれば理解できるレベル。
豊富な情報量と膨大なデータを読み解いていくと…。
『無計画な宅地開発や、タワーマンション、焼け跡的な郊外開発により、街や住宅のスポンジ化(つまり、空き家ばかりで住む人間が居ず、税収も確保できないので電気水道等のインフラのメンテも出来ない)、郊外など本来、農地が宅地化したもので、インフラ設備が十分でない』
『町のスポンジ化は、救急医療や警察、水道や道路の維持管理、又は介護や訪問看護がこれまで通り出来なくなる』
等、迫力ある豊富なデータで、読者を“ナルホド”と思わせます。
講演は、書籍の補足説明的なもので、読者としては中々面白かったです。と言っても野澤先生の口からは幾度も
「…もう皆さまの良くご存知と思われますが…」と言う形容詞が度々出て来て、何せトーシローのワタクシです。内心、
「…いえ、私、全然、知らないんですけれけど…」(…冷や汗)状態でした。
これは行政のシステムになりますが『市街化区域と市街化調整区域の違い』等については結構難しかったですね~シロウトには。
いちおー、解るけれど。
まぁ早い話が、都市計画やら、住宅計画等全くなしに、戦後の日本社会が無秩序に(不動産業界、住宅業界の営利優先のみに)住宅及び、街を作っていったという話です。
家、と言うのは、建物だけではありません。場所もあるんですよ。
持家の価格は、街の価格、賃貸の家賃は部屋だけでなく、街に払う値段なんです。
いくら家だけしっかりしていても、ゴミ処理や、病院、交通、警察等町の行政面がきちんと機能していなければ、住めません。
タワマンなんて、アブナイそのもの。
今でも幼稚園やら保育園やらが足りないのはタワマンの地域だし、ン十年後…修理はどうするんでしょうね???津波など災害が起こったら???
ただでさえ、分譲マンションはそろそろ老朽化。でも住人の同意が得られないので、建替えやリフォームが難しいのに。
これ、全部先送り、なんですよ。この問題。
そもそも戦後の日本が、『土地の所有権』『大家の財産権』を強くし過ぎたのが原因、だと思います。
だから、修理もメンテナンス、リフォームも難しい訳。
土地建物ってある程度、公共のモノなんですよ。何故なら生産できないから。
建物は生産できても、土地そのものは、公共のモノです。あんまり私有財産化しちゃうと…ねぇ。
一昔前までのイギリスなんて『土地の所有権』は『大英帝国及び、エリザベス女王陛下のモノ』と言う発想で、一般ピープルは『土地の所有権』は無かった国だってある。
あったのは『借地権』のみ。
但し、借地権の売買もできたらしいですね。
悪質な不動産屋なんて、入居者が入りそうもない元農地にアパート建てさせる訳。
アパートを建てるという事は、建築業界に仕事が入ります。ン千万のローン組ませて…ね。
しかもサブリース。コレ、結構問題あるんです。
サブリース契約中、サブリース会社の指定する建設会社で、サブリース会社の指定のやり方で修繕、リフォームしなければならなかったり…要するにサブリース会社が絶対に損をしない仕組み。
大家はアパート経営は素人です。悪質なのは、お人好しの大家からお金を巻き上げるシステム。
アパート経営なんて、ホント、恐いですよ。だって入居者が入るかどうかなんて、解らないもん。
安定した家賃収入ったって、ホントにそれ、安定してるの??危ないもんです。
資産運用なんてホント、大バクチですよ。ギャンブルみたいなもんです。それなのに、何故皆やりたがるの???
あんまりアブナイ事は考えない方が良いと思うちふれでした。
ちふれより