人は何故モノを持ちたがるのか?
今日はそれについて考えて見ようと思います。
断捨離の世界、ミニマリストやシンプルライフを見れば判る通り、人が生活していくのに、実はそんなに多くのモノは必要ありません。
今持っている8割のモノが必要ないくらいです。
ではなぜ、持ちたがるのか??
「みんながやっているから」
「みんなが持っているから」
「これが今、流行っているから」
「格好良く思われたい」
「(学校や職場で)雑談の仲間外れになりたくない」
…etc.
色々ありますが、つまりはコレって、“見栄”なんですね。人から良く見られたい、良く思われたい…。
そういう気持ちを人間は持っています。
資本主義、と言うのは、そういう人間の欲望や見栄を最大限に引き出す部分があります。
それを決して否定はしませんが、人は無警戒でいると、こういう気持ちに引きずられます。
『見栄の消費』アメリカではこう呼んでいる人がいます。
【浪費するアメリカ人-何故要らないモノまで欲しがるか?】(ジュリエット・B・ショア著)
これはなかなか迫力ある著書です。人が何を持っているか?何を身に付けているか?で社会的階級ステータスが決まる…。
だから人から認められる為に高級品を持ったり、身に着けたり、広い家や大きな車を買ったりする。
ブランド物なんて、その最たるものですよね。周りに誇示する為に持つ。
他人と比較し、比べあってる。
日本の場合には、『みんなが持っているモノを持たないと(身に付けないと)仲間外れになる』(学校や職場で)
一昔前、バブル時代がそうでしたね。OLさんも、ブランド物を持たないとOL仲間から仲間外れになり、会社からはそれだけで『協調性が無い』と言うレッテルが張られます。
学生も『クラスで流行っているモノを持たないとクラスメートから仲間外れになる』(話題に入れなくなる)。コレ、私がそうでしたが…。
子供が親にモノをねだり、手に入れようとする言葉の1つに
「みんな持っているのに!(だからボクにも買って!)」があります。大抵の親はこの言葉に弱い(ウチの親はそうじゃありませんでしたが…この言葉は徹底的に私は撃退されました…笑)
日本人てどこかムラ社会なので、「他の人々が持っているモノは持たなくてはならない」強迫観念があります。
『人は皆平等の民主主義』がこれに拍車をかけます。平等と言う事は同じでなければならない…違ってはならない…怖い価値観です。
学校教育の『集団生活、団体生活、協調性』の教育が不要、と私ちふれが考える理由がコレなんです。人との差異を認めないことに繋がる。
他人から仲間外れになる事を恐れてはいけない、と私ちふれは思います。周りと一緒に乗る事は無い。
ウチの親なんて徹底的に「他人と自分とを比べるな、他人の持っているモノを羨ましがるな、人は人、ウチはウチ」で人は色々あるの!で済まされましたね。
「学校のクラスでみんなが持っているから私も欲しい」なんて言葉は徹底的に母は嫌いました。
こういうトコ、ウチの親って偉かったな、と思います。
以前に、貧困家庭のシングルマザーさんが、公営住宅の家賃を払えず、無理心中しようと、中学生の娘を絞殺した事件がありました。生活保護を申請に行ったものの、窓口の“水際作戦”で追い返された…。
とても悲劇的な事件で、気の毒になりますが、あのシンママさん、(多分、非正規雇用とかで)生活費が足らず、生活保護の申請にまで行っているのに、絞殺した娘の『アイドルの追っかけやコンサート費用』まで借金して出してやっていたんですよね。
生活苦しいのに、一体何故だと思います?
が、答えは「娘が学校で友達から仲間外れになるから」
コレなんです。だけど…借金してまで遊ぶお金(アイドルの追っかけなんて遊びですよね?)を捻りだしても、殺しちゃう方がもっと可哀想だと思うけれど…。
子供には教えなければならないんですよ。
「ウチはよそとは違うんだ!ウチは遊ぶお金なんて出せないから我慢しなさい」ってね。
仲間外れになる事を恐れてはいけないと思います。このお母さん、ホント、見栄張ってる。
見栄は人生で大敵なんですよ。見栄で人は転落する。
「この位は普通」の“普通”のレベルが高くなっちゃうと、イザ節約!しようとしても、中々出来ないんですね。
生活のダウンサイジングが出来ない。元々高収入家庭の人が、収入減になった時、家計が破綻するのはよくある話。
生活レベル、下げられないんです。妙なプライドがある。
節約すれば、年収300~400万でも生活できるのに、年収1500万とか、2000万あった人が、年収300万になった時、怖い事になる。
身の回りのモノはブランド物(逆に私は安っぽくて嫌ですが)食事は毎回オーガニックや有機、車は高級車で、豪華タワマンに住んで…が普通だと、レベルが下げられない。
節約と言ったって、別にみすぼらしい訳ではありません。ただ単に“ムダ遣いしない”“浪費しない”だけ。
要らないモノは買わない。持たない。欲しいと必要は違うんです。
欲しいではなく、必要かどうかで、モノを買いましょうよ。
ちふれより