映画【ソロモンの偽証・前編、後編】を見て…作品感想(映画)(注意!ネタばれあり!)

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映画【ソロモンの偽証・前編、後編】を見ました。(今、GYAO!でやってます。期間限定)

コレです。

映画【ソロモンの偽証】

え~、久しぶりに見応えはありましたね。さるクリスマスの夜、学校内で男子中学生の死体が発見される…、彼は自殺なのか、殺されたのか?

警察は“自殺”と断定しますが、その後に匿名の投書で『彼は殺されたのです…』で、殺人者として名前が挙がったのが、クラスの悪ガキ三名。

動揺する学校、無神経且つ無責任に報道するマスコミ…それらに翻弄されるPTA。生徒たち。

大人たちがアテにならないのを知り、主人公、藤野涼子は決意します。

『自分たちのクラスの事は自分たちで解決しよう』と前代未聞の“校内裁判”を開く事を決意。

宮部みゆきモノとあって、中々骨太です。“校内裁判”と言う発想は良い。

現実の中学生でもこの位の逞しさは持ってもらいたいものだと思うのは私だけかな?

前編は、柏木少年の墜落死した後の、てんやわんやが描かれています。

ここに出て来る樹里と言う少女がキーポイント。で…これが心に闇を抱えています。

樹里のダメ母親が見もの。娘の気持ち、ちーっとも解ってない。

で、樹里の手下のようになってる松子が良い子なんだけれど、ホントに可哀想。

松子のキャラは【模倣犯】の高井和明を彷彿させます。悪い子にくっつき、手下のように扱われ(と言うより、子供の頃の友達との人間関係って、平等じゃないのよ。大抵が親分子分の関係。積極的な子に大人しい子がくっついているのは現実に良くある話)

苛めでもそうですよね。たいていがボス格の子がいて、手下がいるのが苛めっ子グループ。ボスが命令します。

樹里もいささかボス格(でもその割には悪ガキ大出俊次には暴行受けてたけれど…)

【模倣犯】の高井和明も悪ガキ栗橋浩美の手下やってて、婦女暴行殺人犯として殺されちゃったし…。

ここでストーリーを述べる気はないので割愛しますが、後編、藤野涼子を押しのけて圧倒的な存在感を発揮するのが神原和彦

神原少年、後半はヒーロー!です。中々カッコイイ! 校内裁判では被告の悪ガキの弁護なんだけど。

死んだ柏木少年が、非常にエキセントリックなんですよね。完全に同情できない。振り回された神原君が可哀そうになる。

悪ガキの家庭も良く描かれています。問題児の子の家庭って親が問題なのもそう。

神原少年が良く、柏木少年の友達やってたなって思います。と言うより、その辺は描かれて無いです。

柏木少年の家庭が描かれていないのが残念。何故あんなエキセントリックになったのか???

ただこの映画(原作は未読)クライマックスまでは迫力あるんだけど、終盤が惜しい。あれだけ描きながら、学園ドラマみたくなっちゃってます。

終わり方の詰めが甘い…かな。

音楽も、アレだけ重いテーマなんだから主題歌も少し重くして欲しかったです。前編のエンディング曲がクラシックのアルビノーニのアダージョでしたが、このほうが似合ってる。

ラストのポップス調は…ねぇ???学園ドラマじゃないんだから。

原作は全6巻の作品を映画化だから、終盤は端折っちゃったのかな?

主役の藤野涼子役の子は芸名も“藤野涼子”にしたそう。中学生たちは既成のタレントやアイドルを使わず、オーディションで決めたとの事です。

それが良かったと思う。変にタレント臭さなく、みんな素顔の中学生らしさが出ていた。そしてわきを固める大人たちはベテラン俳優たち。

この小説、原作はワタクシ未読ですが、読んでみようかな?と思います。

因みに、宮部作品のこのアフターストーリーで、藤野涼子と神原和彦は結婚しているみたいですね。そっちも読んでみたいです。

ちふれより




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またまた住宅問題です…。

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さる住宅問題を考える会に参加してきました。

実は今回は、前々から拝読して興味あった野澤千絵先生の講演があり、とても楽しみでした。

この本です。

この本、実は本屋でタイトルに惹かれ、即購入を決意。

野澤千絵先生曰く「…何ともおどろおどろしいタイトルで…云々」と仰ってましたが、何、その“おどろおどろしいタイトル”が私に購入を決意させたんです。これはタイトルの“営業勝ち”

読んでみましたが、あのー、流石専門書。結構素人には難しかったですよ。と言っても努力すれば理解できるレベル。

豊富な情報量と膨大なデータを読み解いていくと…。

『無計画な宅地開発や、タワーマンション、焼け跡的な郊外開発により、街や住宅のスポンジ化(つまり、空き家ばかりで住む人間が居ず、税収も確保できないので電気水道等のインフラのメンテも出来ない)、郊外など本来、農地が宅地化したもので、インフラ設備が十分でない』

『町のスポンジ化は、救急医療や警察、水道や道路の維持管理、又は介護や訪問看護がこれまで通り出来なくなる』

等、迫力ある豊富なデータで、読者を“ナルホド”と思わせます。

講演は、書籍の補足説明的なもので、読者としては中々面白かったです。と言っても野澤先生の口からは幾度も

「…もう皆さまの良くご存知と思われますが…」と言う形容詞が度々出て来て、何せトーシローのワタクシです。内心、

「…いえ、私、全然、知らないんですけれけど…」(…冷や汗)状態でした。

これは行政のシステムになりますが『市街化区域と市街化調整区域の違い』等については結構難しかったですね~シロウトには。

いちおー、解るけれど。

まぁ早い話が、都市計画やら、住宅計画等全くなしに、戦後の日本社会が無秩序に(不動産業界、住宅業界の営利優先のみに)住宅及び、街を作っていったという話です。

家、と言うのは、建物だけではありません。場所もあるんですよ。

持家の価格は、街の価格、賃貸の家賃は部屋だけでなく、街に払う値段なんです。

いくら家だけしっかりしていても、ゴミ処理や、病院、交通、警察等町の行政面がきちんと機能していなければ、住めません。

タワマンなんて、アブナイそのもの。

今でも幼稚園やら保育園やらが足りないのはタワマンの地域だし、ン十年後…修理はどうするんでしょうね???津波など災害が起こったら???

ただでさえ、分譲マンションはそろそろ老朽化。でも住人の同意が得られないので、建替えやリフォームが難しいのに。

これ、全部先送り、なんですよ。この問題。

そもそも戦後の日本が、『土地の所有権』『大家の財産権』を強くし過ぎたのが原因、だと思います。

だから、修理もメンテナンス、リフォームも難しい訳。

土地建物ってある程度、公共のモノなんですよ。何故なら生産できないから。

建物は生産できても、土地そのものは、公共のモノです。あんまり私有財産化しちゃうと…ねぇ。

一昔前までのイギリスなんて『土地の所有権』は『大英帝国及び、エリザベス女王陛下のモノ』と言う発想で、一般ピープルは『土地の所有権』は無かった国だってある。

あったのは『借地権』のみ。

但し、借地権の売買もできたらしいですね。

悪質な不動産屋なんて、入居者が入りそうもない元農地にアパート建てさせる訳。

アパートを建てるという事は、建築業界に仕事が入ります。ン千万のローン組ませて…ね。

しかもサブリース。コレ、結構問題あるんです。

サブリース契約中、サブリース会社の指定する建設会社で、サブリース会社の指定のやり方で修繕、リフォームしなければならなかったり…要するにサブリース会社が絶対に損をしない仕組み。

大家はアパート経営は素人です。悪質なのは、お人好しの大家からお金を巻き上げるシステム。

アパート経営なんて、ホント、恐いですよ。だって入居者が入るかどうかなんて、解らないもん。

安定した家賃収入ったって、ホントにそれ、安定してるの??危ないもんです。

資産運用なんてホント、大バクチですよ。ギャンブルみたいなもんです。それなのに、何故皆やりたがるの???

あんまりアブナイ事は考えない方が良いと思うちふれでした。

ちふれより




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映画【スターウォーズ】とクラシックの関係…

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え~、アメリカ映画【スターウォーズ】シリーズについて話しますね。

無論、皆さま良くご存知の映画だと思いますが、コレって意外にクラシックの世界と世界観、似ていたりするんですよね。

と言うより、結構『モデルにしてない?』って感じです。

特に似ているのがクラシックのオペラ(と言うより、ドイツ語のムジーク・ドラマと言う)リヒャルト・ヴァーグナーの世界観なんです。

圧倒的にスケールが大きく、雄大且つ長大な歌劇(楽劇)リヒャルト・ヴァーグナー。

【トリスタンとイゾルデ】【タンホイザー】【ニーベルンゲンの指輪】【パルシファル】【ローエングリン】…etc.

雄大な『ドイツ・ロマン』オペラの世界です。因みにヴァーグナーだけオープニングの曲を『序曲』と言わずに『前奏曲』と言います。

『前奏曲』だけで15分、他のモーツアルトやヴェルディ、ドニゼッティの『序曲』は7~8分なので、『前奏曲』だけでヴァーグナーの雄大さは解ります。

私もリヒャルト・ヴァーグナーは大好き!こういう“スケールのデカく”“雄大で”“骨太の”ものと言うのは大好きなんです。

そも、私がクラシックピアノを辞められなかった理由の一つに“雄大でスケールが大きくて骨太の作品”を演奏出来るから。

やっぱりね、スケールの大きな曲って弾いていて楽しいんですよ(^^♪ ロマン派のシューマンのソナタとか、リストの『伝説』2番とか…。

R・ヴァーグナーなんて、その最たるもの。

【ニーベルンゲンの指輪】の第二幕『ワルキューレ』の“ワルキューレの騎行”が有名ですよね。

でね、【スター・ウォーズ】見た時…

『コレ、リヒャルト・ヴァーグナーの焼き直しか!?』でしたよ。ホント。

無論、大衆向けに解り易く描いていますけれど…。でもどこか、世界観が似てます。

あるシーン(それは森の中でジェダイとヒロインが白馬に乗っているシーンでした)なんて、正しくヴァーグナーの世界そのもの。

実は【スターウォーズ】だけでなく、アメリカのハリウッド映画ってモデルは結構ヨーロッパのオペラをモデルにしていたりします。

文化的にはアメリカはヨーロッパを手本にしている部分があるんですね。

ディズニーランドのシンデレラ城のモデルはやっぱりヴァーグナーの(と言うより、ゲルマン民族の民話の、と言うべきか)楽劇のモデルになったドイツ、ロマンチック街道の『ノイシュヴァンシュタイン城』だし。

『ノイシュヴァンシュタイン城』を作ったバイエルンの王さま、ルートヴィヒ二世はヴァーグナーのパトロンだったエピソードで有名です。

この王さま、従妹にオーストリア皇后エリザベートがいますね。美貌の皇后さまとして知られてます。通称シシ。

エリザベート皇后、今残っている写真見ても、本当に美貌のお妃さまです。ミュージカル【エリザベート】になってますね。美容とダイエットに熱心だったそうだけれど。

【スターウォーズ】だけでなく、ディズニーアニメもオペラがモデル。あれはミュージカルですよね。

初代【白雪姫】なんて、小鳥が歌うシーンがありますが、鳥が歌うのはモーツアルトの三大オペラの1つ【魔笛】のパパゲーノとパパゲーナがあります。

パパゲーノとパバゲーナはオウムの夫婦です。ドラマの狂言回しの役割。

こんな風に結構クラシック音楽ってアメリカ文化の手本になっていたりするんですよね。

ちふれより




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理想の男性は…(2)

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前回の続きです。

前回、『一緒にリヤカーを引いてくれる男性がいい』と書きました。

これってね、どういうことか?と言うと、『同じレベルで、同じ目線で、同じ処を見て語れる相手』と言う事なんです。

夫婦や恋人同士ってこれが大事って思うの。同じ悩みを一緒に共有して人生頑張れる、という事。

そういう意味では、(不安定要素充分だけど)ベンチャー企業の経営者夫婦、と言うのは良いですよね。夫が創業し、会社を立ち上げ、妻が支える。

“内助の功”と言うより、もっと同じレベル。“内助の功”ではどうも、『夫の仕事を妻が裏から支える』になる。夫が上で妻が下の感じ。

そうじゃないんです。妻はもっと“表”に立つ。同じ仕事をする対等のパートナー。

創業者夫婦、と言うのは人生、二人三脚です。夫婦二人で、同じ仕事をし、同じ目線で語り、同じ目的(夢)を共有し…同じレベルで話せる相手。

これは、絆が強くなりますわな。お互いがお互いを必要としている訳だから。

人間、愛だけでは付き合えないんですよ。お互いがお互いを必要としている、という骨子があって、愛がある。

必要性と言う骨組みは人間関係で必要です。

中島みゆきさんの歌に『You never need me』(アルバム【Love Or Nothing】より)と言う歌があって、歌い出しが、

『…好きなものや欲しいものは、次から次へとあるけれど、本当に必要なものは、そんなに多くない…』で始まります。まるで断捨離ソング!ですが、この歌が泣かせるのは、次の

『…私の事を憎からず思ってくれたのは事実、でも必要と思った事無かったのも事実ね…』

コレってホントに切ないラヴ・ソングです。『私を愛して』じゃないんだから。『あなたに必要とされたい』なんですよ。

『今から何をすれば必要と思ってくれるの』って…泣きます。

人は愛だけでは付き合えない事を見抜いたのは、中島みゆきと作家の橋本治氏です。橋本治の『愛の帆掛け船』はそれがテーマの一つ。

『愛の帆掛け船』は評論家の浅羽通明氏経由で知りました。浅羽氏は非常に橋本治を高く評価しています。

人間関係を結びつけるのは、まず、生活や人生の必要性なんです。必要性があって、愛。

実際、離婚が大流行りの昨今ですが、ベンチャー企業の経営者夫婦って、意外と離婚は少ないですよ。と言うより、意外に上手くいっている。

逆に上手くいかないのは『夫は企業戦士サラリーマン、妻は専業主婦』ってパターン。これが上手くいかない理由って、もう解りますよね?

夫婦二人の目的(夢)が一致していない。同じ目的に向かって進む戦友じゃない。

夫は仕事、妻は子育て(教育)じゃあねぇ…お互いの関心事が全く違うじゃんか!?そのうちに夫に職場の同僚や部下の女性と不倫関係になるって…良く解りますわな(笑)

夫と職場の同僚や部下の女性は“同じ戦友”仲間ですから。ビジネスの企業の中で、売り上げ戦争の“仲間”

絆は強くなります。夫にしてみれば

“妻よりはるかに話が通じる相手”ですよ、ホント。

恋人や夫婦が、“同じ目線で見、同じ夢(目的)を持って語り、一緒に戦う人生の戦友同士である”事はとても大事だと思うちふれでした。

ちふれより




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理想の男性像は…(笑)

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えー、私ちふれの恋愛観、結婚観なんですけれどネ。

西原理恵子さんの【女の子が生きていく時に覚えていてほしいこと】読みました。

迫力ありましたね~。特に

『ダイヤモンドくれる男性より、一緒にリヤカーを引いてくれる男性がいい』には…涙!!!

他にも、

『人生には一つの道だけじゃない。抜け道もけもの道もある』
『アル中もDVも病気だから、モラルや宗教じゃなくて、サイエンスで判断しなさい。病気を治すのに愛は効かない』
『食べる為に最低限の学歴は取っておきなさい』
『追い込まれて、次の一手が打てなくなる前に、生き抜く為の戦略を立てなさい』

これ、ホントの事だと思うんですよ。

『価値観の合う人とお互いに高めあって愛し合いましょう』なんてキレイ事だと思いますよね。それより、私、イザという時の(特に男性は!)人としての“器”が大きい事が大事なんじゃないかな?

人生の試練の時、そこに立ち向かえるか?挫折した時、精神的に逃げないで前を向いて解決方法を探せるか?アル中やギャンブラーってそういう事から逃げているんだと思うんですよ。

DVも同じ。現実を受け止められなくて、妻や恋人に八つ当たり。男性として“器”が小さいなぁ…って思っちゃう。

そういう意味では“挫折を知らないエリート”なんて弱いんですよ。頼りないなって思う。人は挫折を知らなきゃダメ。

挫折して、転んだ時に、上手に立ち上がれる事が一番大事です。転び方もケガしない転び方を知っておいた方が良い。

『ダイヤモンドくれる男性』じゃ、転んだ時が怖い。転び方や立ち上がり方を知らないから。人としてひ弱なんです。

『一緒にリヤカーを引いてくれる男性』は転び方を知っているんですよ。転んだ経験あるからリヤカー引いてる訳。転び方だって知ってる。

しかも人生に対し、積極的に動く事も知っている訳です。これは頼もしいわな。

人生、場所からは逃げて良いんですよ。例えば、ブラック企業を退職する、とかね。

仕事だって“これは違う”と思ったら辞めていい。けれど…。

辞めて次に動き出さなければならないんです。そのままやめて引き籠ったら“無職”“引きこもり”

それは人生の挫折を意味します。

社会的に整った人生のレールラインを外れたら、そこからはサバイバルの連続です。ナタと斧でけもの道をかき分け、切り開き、道を作る。

道なき道を切り開くんです。西原さんの言う

“道は必ずある。地図にも載っていない道が”なんです。

時には、獣の通った後の“抜け道”だってある。一緒にリヤカーを引いてくれる男性は、頼もしきナビゲーターなんです。

一緒にリヤカーを引いてくれる男性を探しているちふれでした。

ちふれより




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【夢を売る男】(百田尚樹著)《作品感想・書籍》を読んで…

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あの…傑作でした(笑)出版業界の舞台裏なんですが…。

特に自費出版の世界です。と言うより、書籍出版にかかる費用を著者と出版社が負担する《ジョイント・プレス》と言う方式をこの小説の舞台の丸栄社(この名前は笑えた、“見栄”が“丸出し”の意味か?)はしているのですが。

本の出版って結構色々大変なんです。と言うのは私ちふれも知っています。特に著者が素人だったり、ネームバリューが無く、無名だったりするとね。

本の出版は3種に分類されます。

(1)商業出版…所謂、プロのライターや作家さんの出版方式、出版社が出版費用は全て抱える。かなり売れ行きが見込めないと今は厳しい。
(2)自費出版…著者の個人出版、費用は全て著者、出版社を通さず、(原稿執筆、編集、校正は全て著者で)原稿をいきなり印刷所に回し、印刷、製本、でISBN番号(国際書籍特定番号)も自分で取得(コレ、出来ます。費用は2~3万円)、アマゾン等で売れば出来る。費用は200ページのソフトカバー、四六判で、100部印刷で30万円ほどでできる。
が、出版社を通すと、編集、校正とプロがやる為、某文芸社等では200万円ほどかかる。
(3)共同出版…出版社と著者の折半で出版費用を出す。この小説の丸栄社もその方式…だが、ここではその如何わしさが良く描かれています。

なんですが…著者が無名の素人の場合、(2)か(3)になる訳。でね、どうせ著者が費用を出すのであれば、出版社を通さず、原稿執筆、編集、校正は全て著者サイドでやり、印刷と製本を印刷会社にやってもらうのが、一番安い。が…これは流通が問題なのよ。これだと、取次(トーハンとかね)が受け付けない。

本の出版は

原稿執筆→編集→校正→カバーデザイン→印刷、製本→取次→書店→読者

とだいたいこんな感じ。少なくとも、アマゾンが出て来るまでは、流通が絶望的だったんです。著者の手売りだけで。今は取次通さなくても、アマゾンが受け入れてくれます。

ここで出て来る《ジョイント・プレス》は(3)の共同出版なんだけれど、これで200万とか、300万とかふんだくってます。

「本当は500万円位かかるものを販売部と交渉して、200万に値下げさせてます」とか何とか言って。「この本はいい本ですし、ウチ(丸栄社)で赤字覚悟でも出したいので」なんて言ってね。費用がはっきり言って水モノなんです。

取次は、個人では受け付けてくれません。だから、200万払っても、出版社通してしか自費出版、共同出版になる。いずれにしてもン百万かかるんです。

取次通すと、書店で売ってくれます。自分の本が、書店で、宮部みゆきとか、東野圭吾の本の隣に並んでる訳です。これが丸栄出版のウリ。

今は書店でなくともアマゾンが売ってくれますが…。

ここに出て来る本を出版する目的と言うのが…要するに“見栄”なんですよ。“見栄”で本を出版する。

要するに『作家先生』『文化人先生』になりたい訳。本屋で自分の本が宮部みゆきさんの本の隣に並んでてほしい訳です。それがブランド。

一冊も売れなくていいから…ね。それを夢見ている。

完全自費出版ではそれが無い。ISBN番号を自分で取得、国会図書館にも本を置いてもらう(ISBN番号を取得すると置いてもらう事になります)出来るんだけれど、芥川龍之介や夏目漱石の本の隣に一緒に本屋で売ってもらう、が無い。

本の出版て素人作家にとって“夢”なんですね。何だか音楽の世界と一緒だなって思っちゃう。その夢で丸栄出版は暴利むさぼる。

完全自費出版ではそのブランドが無いんです。周りに“自己満足”で本を出したと思われる。“ちゃんとした”“出版社”を通さないと。

実際、共同出版とか、大手出版社の自費出版てね、その“ブランド性”で売ってます。お客が読者ではなく、著者なんです。何百万払うから。

実際数年前に、自費出版の出版社が著者数名から訴えられました。某文芸社だったか…この小説、一部実話なんですよ。

実際、一寸以前にお会いした本の編集者の方は

「本を出すってね、ご自身のブランドになるのよ。税理士とか公認会計士なんて、中小企業の社長さん達に信用絶大なんだから、何百万も出す価値あるのよ」と仰ってました。

聞いてて開いた口が塞がりませんでしたね~(笑)要するに出版業界って、『本を出版する』と言うブランドで売ってるんだから。特に無名の著者には。

ここではっきり言います。無名の著者の場合、『完全自費出版』で出すのが宜しい!自分で原稿執筆、編集(ワードで出来ます)、校正までやって、ISBN番号の自力で取得、印刷所で印刷、製本してアマゾンで売る、が一番です。

PRにブログでも書くのが良いんです。そこにアマゾンの自分の著作の本のバナー広告でも張り付ける。

従来の出版業界なんてね、何も知らない素人からン百万ふんだくる世界ですからね。

ちふれより

PS…ココで出て来る“本”とは“紙書籍”の事です。“電子書籍”なら更に安く、無料で出せる事位…解りますよね?




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【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム】のトルコについて…(作品感想・ドラマ)

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え~、以前にも書きましたトルコドラマ【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~】継続して見てますが、トルコの女優さん達って…凄くキレイなんですよね。

これ、我が国日本の女優さんと比べても引けは取らない…というかはっきり言ってトルコ女優さんの方が美人度は上!何じゃないかな?

このドラマでも、皇妹ハティージェ役の人とか、ヒロインヒュッレム妃の友人ギュルニハル役、女官長役の女優さんは私ちふれ個人的にもキレイと思います。  
目鼻立ちがはっきりとしていて、眼は大きく、彫りは深い顔立ち、鼻も高くて中高な顔…と言うとこれは美人だわな(笑)

いまいちビミョーなのが、帝妃ヒュッレム役の人、この女優さん、トルコとドイツのハーフなんだそうで、ナルホド、ドイツ系かぁ…。

ドイツ系は骨格ががっちりとしていて、体形なんかも骨太です。これは美人女優の条件としては…???(笑)ですね。

でもヒュッレム妃役の女優さんは、トルコを代表する女優さんなんだとか。日本で言えば、三田佳子さんクラスとかかしら?もう少し若くて、米倉涼子とかかな?

ネットでググってみると、トルコとかの周辺って美人が多いみたいですね。理由としては…洋の東西の交流地だから。

要するに混血が多いんです。だからエキゾチック。トルコもそうだし、ウズベキスタン、トルクメニスタンとかの中央アジアから、中国のシルクロードの周辺。

この辺って綺麗な顔立ちの人が多い。西洋と東洋の中間地点です。でね、こういう地域って…

政情が不安定なんですよね。内戦やったり、外国に支配されたり…です。美人が多い国って悲劇的な宿命背負っているみたい。

そも、混血が多いと言うのは、普通の結婚じゃない場合だってある。敗戦国の民(女の子)が、戦勝国の有力者の男性の愛人と言うか、妾と言うか…囲い者になって混血が生まれる。  

レイプだってあるだろうし…ね。

そこにはセクハラなんて概念はありません。ただただ弱肉強食の論理のみ。残酷な世界です。

そもそもこのドラマのヒュッレム妃だってそう。元々ロシア系で、ルテニア出身の牧師の娘です。ヨーロッパ名アレクサンドラ。

ルテニアの小さな村で生まれ育ったが、タタール人の襲撃を受けて、村は全滅。男性はほぼ全員殺され(が、このドラマでは、恋人のレオが生きていたという設定)女性陣は“戦利品”として奴隷市場で売り飛ばされ…です。

若い娘は多分、お金持ちや王侯貴族の男性の愛人としてが大半…でしょうね。ここで混血が生まれますよね。

アレクサンドラ(ヒュッレム妃)の場合は、オスマントルコ帝国のハーレムに“女奴隷”として納められました。ハーレムの女性陣って全員“女奴隷”なんです。

これ、現代では考えられない残酷な話です。ヒュッレム妃もそこからスレイマン帝の妃まで上り詰めたんだから凄いものです。

オスマン・トルコ帝国って、ヨーロッパが世界を支配する18世紀より前、全世界で幅を利かせた帝国です。因みに文化度も非常に高い。

トルコ料理は、フランス、中国との並んで“世界三大料理”の1つに数えられてます。  元々イランとか中東周辺はペルシア絨毯等で有名ですよね。

モーツアルトやベートーヴェンの“トルコ行進曲”もここから来てます。モーツアルトやベートーヴェンにとっても一寸憧れの国だったらしいですね。

一度、トルコ料理って食べてみたいです。

ちふれより




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海外ドラマ【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~】と【夢の雫、黄金の鳥籠】(篠原千絵著)

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丁度この二つ、同じ話なんです。トルコ海外ドラマ【オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~】と少女漫画【夢の雫、黄金の鳥籠】(篠原千絵著)って。

16世紀のオスマン・トルコ帝国、スレイマン皇帝の時代の話です。思わず、比較しちゃう(笑)

時のスレイマン皇帝を中心に、愛妃ヒュッレム(ロシア出身、ロシア名アレクサンドラ)と、帝妃(第一夫人)マヒデブラン妃(篠原版、ギュルバハル)や、他のハレムの妃たち(立場は女奴隷、妾(ジャリエ)、と呼ばれる)そして、スレイマン帝とヨーロッパ諸国の外交と戦争、の歴史絵巻です。

まぁ、トルコのハレムって…一夫多妻も良いトコですからね。皇帝(夫)一人に妻600人前後いたらしい。凄いもんです。

どちらも面白い。トルコドラマ版は、マヒデブラン妃の夫をヒュッレムに取られた悲哀が良く描かれています。それ以外の恋愛面はイマイチ、かな?

恋愛面は篠原版の【夢の雫、黄金の鳥籠】の方が捻ってます。まず、ヒュッレムは、スレイマン帝ではなく、イブラヒムが秘密の恋人ですし。しかも、新刊10巻目では、その秘密の恋人、イブラヒムと対立していく…これは事実です。後にヒュッレムはイブラヒムを殺すらしい(笑)

又、皇帝妹ハティージェは、イタリア商人との恋に破れ、渋々イブラヒムに嫁ぎますが、トルコドラマ版はアッサリ相思相愛、これも捻りが足りない。

篠原千絵さん、流石【天は赤い河のほとり】の作者ですね。【天河】は熱狂して読んだので。

ただ、トルコドラマ版のヒュッレムは、野心満々ですね。まぁ実際にはこうかもな、とも思います。ただ、最初からあんまり反抗的で、視聴者としては共感出来ませんが。

大体、ハレムなんて、女たちの戦場な訳ですよ。皇帝の寵愛を競ってる。唯でさえ周りはライバルです。そこで周りの女性陣とあんまり正面切ってケンカをしてはダメなんですよ。特に第一夫人(マヒデブラン妃、篠原版ギュルバハル)には頭を下げなければ。

寵愛を頂いて間もなくなんて、立場がまだ弱い。この世界は、『皇帝の寵愛を得、男子を生み、その子が次期皇帝になる』事でようやく地位安泰、だったみたいですし。

正面切って第一夫人とケンカをするは、一番まずい。相手は正妃なので、立てなくてはならないんです。目上ですから。

そうしてハレム内でうまく、立ち回っていく。周りを味方に巻き込んで…です。政治的に立ち回るんです。

実際の歴史上のヒュッレムは実に賢かった女性のようです。マヒデブラン妃を押しのけ、自分が皇妃になった人です。実はオスマン・トルコ帝国で、正式の皇妃に初めてなったのはこのヒュッレムだったよう。

マヒデブラン妃も第一夫人、とは言っても立場は女奴隷です。スレイマン帝より以前の皇帝は全部、生涯、独身皇帝です。無論、寵姫は沢山いたけれどネ。

そんなヒュッレム妃が周りをそんなに敵に回したかな?と思ってしまいます。そういう処は篠原版の方が、『賢いヒュッレム』と言えますね。

最も、ヨーロッパとの外交、戦争面はトルコドラマ、中々です。又、衣装や宮殿等、実際の当時の再現そのまま、という話ですね。

ともあれ、どちらも見どころ満載!です。

ちふれより

『Radio365』【まりこの世の中拝見!】アーカイブスオンエア中!

【まりこの世の中拝見!】




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『ルポ 難民化する老人たち』(林美保子著)を読んで…

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『ルポ 難民化する老人たち』(林美保子著)を読みました。まぁ最近の“格差、貧困、ワーキングプア”の類いのテーマのモノですね。ここに出てくるのは、この貧困問題の昭和世代の方々。

まぁ確かにこういった人々もいて、大変なんだな、と言うのは解ります。昭和世代のお年寄りが全て“恵まれた富裕層”ではないでしょうし…特に自営業の国民年金の方々は大変みたい。後半の《狙われる老後資金》も迫力あり。証券会社とか先物とか銀行とかが、80過ぎたお年寄りを狙って損になる投資を(騙されて)させられる。意味わからずハンコをつかされる処は身が震えます。こんな契約って…アリなの!??

ただ、あの…なんですよ。

ここに出て来る《仕事が無い~フリーランスの末路》は、一寸あれっ?という感じです。ライターと、カメラマンのご夫婦が出てくるのだけれど、これって何故仕事にあぶれてしまう訳???ネットを使えば???と思っちゃいます。

ライターさんなんて、一番、潰しが効くんですよ。雑誌記者とか、フリーライターの人達って…ブロガーとかアフィリエイターになれば??って思う。カメラマンも同様。

デジカメ撮影した作品をインスタグラムにアップ。それでバナー広告等で収入を上げる方法はある筈。YouTubeと一緒ですよね。ご夫婦でそういうサイトを作ったって良い。

マスコミの世界の人々なんて、一番、ネットに移行すれば仕事にあぶれない。最も、ライターさんや雑誌記者さんはハナから記事を一本書くたびに“原稿料数千円~数万円”得ていたらしいので、自力で立ち上げたブログ(バナー広告は、グーグルアドセンスに申し込めば一番簡単です!)は最初の頃は収入なんてホントに微々たるものでしょうけれど。100円も行かないんじゃないかな???

読者獲得の営業は全て“自助努力”“自己責任”です。

ブロガーとかアフィリエイターって人昔前は“イカガワシイ”って言われていたけれど、これ、全然如何わしくないんです。昔の雑誌記者さんやフリーライターさんがやっていた事なんですよ。コラムニストとかね。あったでしょ?そういうの。

ブロガーとかアフィリエイターってね、昭和のライターさんがやっていた事をそのまま個人でやっている、と言う事なんです。ライターさん達は、雑誌とかが媒体だったけれど、こっちはネットが媒体。

ブログと言うのは、デジタルの個人雑誌を発行していると私は捉えてます。だから、ブログ記事、という言い方をし、ブログ記事の更新、という言い方をします。更新と言う言い方はIT用語だけれど、ブログ記事を書く、という言い方もしますよね。

これは、昭和の雑誌記者さんやライターさん達が、“原稿で記事を書く”と言うのと一緒です。ブロガーやアフィリエイターと言うのは、昭和のライターさん達と一緒なんです。

私ちふれ、このブログ記事だって、結構真面目に書いています。読者さんも意識してますしね。ライターとしては素人だけれど。

ここで、“書く媒体が減っている”と言っているけれど、それは紙媒体の話。デジタルの世界であれば、無限に挑戦できます。しかも費用は結構安いです。私のこのブログにしても、維持費は“一年間で5000円位”一ヶ月400円前後です。決して高くない。

ブログだっていい加減な気持ちや、いい加減に書いていたのでは、読者さんはついてきてくれません。やっぱりきちんと真面目に取り組まないとね。

紙書籍だって、商業出版が厳しいのなら、自費出版と言う手もありますし、自費出版本をネット通販、Amazonは扱ってくれます。マイナー本の著者んは「Amazonは既存の出版社が扱ってくれない作品でも扱ってくれる。有難い存在」と言っている人もいます。

Amazonは『e託』がありますね。

マスコミの世界の人なんて、いくらでもネットで活躍出来るんですよ。

ちふれより

『Radio365』【まりこの世の中拝見!】アーカイブスオンエア中




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【シャーロック・ホームズの冒険】最終話『ボール箱』(ネタバレあり)

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ジェレミー・ブレッド版【シャーロック・ホームズの冒険】の最終話です。と言うより、“未完の最終話”と言うべきか…。と言うのは、収録がまた残っていたにもかかわらず、主役のジェレミー・ブレッドが亡くなってしまったからです。

この最終話より数本前から、ジェレミーは酸素ボンベを取り付けての必死の収録だったようです。ジェレミーの顔も(厚メイクで隠しているものの)顔色悪いのがはっきりとわかります。

役者さんのプロ根性ですね。ところで…

この未完の最終話、ある意味、最終話に相応しい大人のドラマでした。深くて哀しい…人間の切なさを描いています。

あのー、ネタバレするようですが、全ての元凶は、次女セーラ。彼女が三女(妹)メアリーの夫に横恋慕したのが始まりです。何とか言い寄ろうとしても、義弟は目もくれず。セーラは画策します。

『妹夫婦の仲を裂こう。そうすれば義弟は私を見てくれる』で、妹に別の男性を紹介し、不倫関係になるように仕向ける…。

あのー、このセーラ、義弟ジムが好きなんだけれど、ジムの夫のメンツと言うのを考えないんだろうか???とことん、プライドを傷つけられる筈ですよね、ジムは。

怒り狂ったジムは妻メアリーと愛人を殺し、二人の耳を切り取ってボール箱に入れ、送りつけます。逃げろ、というセーラに「俺はもう逃げられねえ!」と怒鳴りつけるジム。そりゃーそうですよね。あまりにも切ない…。

最後のラストシーン、殺された二人の遺体が氷の下から出て来ます。その時、シャーロック・ホームズの言葉

「何の意味がある?この不幸と暴力と恐怖が指し示すのは何だ?何かあるはずだ。宇宙が偶然に支配される訳はない。目的は何だ?それは人間にとって永遠の謎だよ。答えを見つけた者はいない。」

あまりにも深いセリフで幕を閉じます。そして哀愁漂うテーマ曲(このグラナダ版ホームズ、音楽も素敵です)正しく大人のドラマです。

因みにセーラのキャラって原型はシェアクスピアの【オセロ】のイアーゴかなぁ?なんて思ってしまいますね。愛し合う夫婦を疑心暗鬼にさせ、別れさせる、というキャラって…。

ちふれより

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Radio365




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