映画【レイラ 売られた少女】を見ました(映画作品感想)

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結構重い映画でしたね。

正味1時間15分と決して長い映画ではないのですが。

『過酷で無情な人生からの脱却を図るホラー・ドラマ』となってますが、世界の貧困格差問題&人身売買&現代の奴隷問題って感じ。

主人公はレイラという13歳位の少女。

この子、中東出身でアメリカで成功したサハル家に住んでいるんですね。

唯、このサハル家での扱い、というのが、家政婦代わりにこき使われている。

サハル家の主人サムと、夫人のスザンヌは彼女をこき使ってる。

特にスザンヌ夫人が酷いです。

で…このレイラ、サハル家で使用人なのか、家族なのか良く解らない。

しかもスザンヌ夫人、学校通わせないし(だから最初はレイラは無学文盲です)、家から一歩も出さない。

レイラに『ウチを出ちゃダメ!』と軟禁状態ですよ。

しかも外からのお客が来ると、レイラはトイレに閉じ込められます。

要するに外部に見せない訳(見せられないんでしょうね、不法入国&奴隷扱いが発覚するから)

レイラは偽造パスポートで入国してます。本人は何も解らないままね…。

この辺のスザンヌ夫人、かなりズルいです。ちゃんと解ってる。

後ろめたい自覚はありそう。

スザンヌ夫人は夫のサム氏に『レイラは妹の娘で姪だ、育ててくれって引き取ってやった』と言っています。

が、コレ、ウソで、レイラは全然血縁じゃない。

サム氏が偶然、手紙が出て来て判明します。

最も夫から問い詰められたスザンヌ夫人は“妹の養子よ”と云い抜けようとしますが。

『家に家族か使用人かよく解らない娘がいる、コレは奴隷ではないか?』と悩んだサム氏はついに告発します。

そう、ハウスメイド、家政婦の仕事をしている、と言ったって、可哀想にレイラは1ドルも報酬を得ていないのであった…。

ハッキリ言ってタダ働きさせらせている訳ですよ。

確かにこれでは“奴隷”状態。

唯この映画でやり切れないのが、レイラの祖国の実の親たちなんですよ。

映画では出て来ません。

唯一、電話だけなんですが、レイラに対する扱いが酷い。

10代の少女が他家で働きながら(賃金も貰わずにね!)生活している訳ですよ。

その家の男性陣(ここではサハル家の息子)にレイプされます。

身も心も傷つき、レイラはサムに『実家の親に電話したい』と訴えます。

ようやく電話がつながり、レイラの実父が電話に出ますが、ほとんど何も話さないまま、ガチャンと切られちゃう。

『あっ、パパ、待って!!』と訴えますが、無情に切られる電話。

コレでレイラの扱いが解りますよね?

どうも、レイラの実の親たちは、サハル家から“月々30ドル”受け取っているらしいんですね。

要するに、コレは…本来はレイラの賃金か?

それにしても激安、最低賃金って無いの???

月30ドル(日本円にして、3~4千円か)で、レイラをサハル家に売り飛ばしている状況のようです。

やり切れないのは、サハル家及びレイラの祖国が(多分政情不安定で)かなりの貧困率の高い国と言う事。

レイラの実家はスラムのような家みたいです(後の法廷シーンでのスザンヌ夫人の言い分)

スザンヌ夫人は最後まで『私にも言い分はある』という顔してました。

『ウチで引き取らなければ、レイラはスラムのような家で、売り飛ばされるような形で16歳で親の世代の男と結婚させられていた』

要するに、どの途、レイラの親たちはレイラを売り飛ばすんだ、と言いたいのでしょう。

貧困、スラム、児童婚、売春…そんな悲惨な世界から引き取ってやったんだ、私達は何も悪い事してない。

先進国の豊かな国の法律基準では全く測れない。

そういう事なんでしょう。

確かにサハル家は立派な綺麗な家に住んで、レイラもそこそこ小ぎれいにしてますけどね。

でも住んでいる部屋はサハル家のガレージだとかで、冷暖房なし。

良いんだか悪いんだか。

最下層のド貧困の社会の親たちって、子供を食い物にするようです。

子どもにたかる、というか、子供からエサをむしり取る。

やり切れなくなりますね。

この映画ではラストは(一寸リアル感無いんだけど笑)ハッピーエンドです。

レイラのボーイフレンドになったメキシコ不法移民の男の子、エミリオ君が、何かとレイラを守ろうとします。

それが救いですね。

ちふれより

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